見ないふりして、観る
7月 23

見ないふりして、観る

 ある日のことです。年少クラスの女の子が一輪のハルジオンを手に、私に近寄ってきてこういいました。「せーんせ、どーじょ」。庭から摘んできたのでしょう。茎は萎びて、もうちょっと首が曲がってきましたが、お花を先生にあげたいと思う。私はその心がうれしくて思わず、「まあ、素敵ねえ。よく採れたわね~」。
そう言いました。

 

 この出来事はまさに、3歳にして社会性が芽生えていることの表れです。
 なんて素晴しいことでしょう! 私はハルジオンを受け取ると、コップに水を注いで挿し、その子に見せてあげました。女の子はすぐに真似をしました。
 ちょっと手本を見せただけで、「自分も何かやりたい」という目的を持ち出します。手本を真似たあと、「自分にもできた」という喜びを全身で表現していました。

 

 摘んだ花はすぐに萎れてしまうけれど、花瓶に入れれば生命は活き活きする。
 やがてその女の子はその真実を自分で発見するでしょう。
 この一連の動作を大人が「言い聞かせて」教え込むのはよくありません。
 大人に必要なのは、子ども自身が発見できるように、見守ること。そして
 大人ができることは「環境」をつくってあげること。

 

 

 水に挿してあげる。ちょっと手本をみせてあげる。それだけで十分なんです。
子どもは真似をします。見た通りに真似ができると本人は「ひとりでできた」と心が震えます。その喜びと感動から思わず、20回でも30回でも同じこと繰り返すこともあるでしょう。その瞬間を見逃さないで欲しいのです。

 

 

  目の前にいる子どもをよく見て、その子がいちばんやりたいことに集中させる。それがいちばんたいせつなことなのです。ですから、子どもが無我夢中で没頭できることをみつけたら「よくやれたね」と一言褒めてあげてください。 
 心を入れて「よくできたわね」とママも心から感動していることを惜しみなく、伝えてあげてください。

 

 

 よくある過ちは目の前の子どもの状態を見ないで、親のレベルに引き寄せて、子どもを見てしまうことです。とりわけ高学歴なお母さん達は自分の子どもの頃のレベルと比べて我が子を判断しがちです。そのため、つい過保護になってしまうことが少なくありません。

 

 

 たとえば、ランチボックスに「お箸とフォークとスプーン」一式持たせるお母さんが多い。これも過保護です。
 残念ながら、お母さんが器用で気が回るうちの子どもは、手が動かない子どもになってしまうんです。スプーン1本だけでいい。フォーク1本だけでいい。
 それで十分。足りないくらいがちょうどいいのです。
 足りないから能動的に自分で探そうという気持ちが起きるのです。それが好奇心を育みます。過保護だと、知恵がでてこない。

 

 

 子どもが失敗しないように、転ばないように手をかけすぎていませんか? 転ぶ前に手を差し伸べるのではなく、転んだら、すぐに飛んでいく。
 やりたいことを貫く心が芽生えなければ、本気がでないんです。できないことも自分できづかせること。大事なことは見ないふりして観る
 子どものタイミングに合わせて待ちましょう。それから、促してはいかがでしょう。

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あああ
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